個人向け文章作成支援サービス WritingSolution

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文章が具体的であることの重要性‐2

「細部に神宿る」という話

 具体的に書くことが重要だという話を、もう少ししてみます。
 作家、建築家、映画監督などの創作活動をしている人たちがよく口にする言葉に、「細部に神宿る(かみ やどる)」というものがあります。細部、つまりディティールが重要だということです。モチーフや構成、ストーリーなどがいくら優れていても、細部がいい加減な作り方では作品として優れたものにはならない、ということです。読者、視聴者、利用者の心に訴えるものにはならないのです。
   
TVドラマの嘘臭さは細部のつくりが雑だから
 映画に比べてテレビのホームドラマにリアリティがないのは、細部の作りがいい加減、言い換えると雑だからです。たとえば主人公の家族などが数人でテーブルを囲んで食事しているという、おなじみの場面で、どういう訳かカメラの側、つまり視聴者の視点がある側には誰も座っていないというのが、その典型でしょう。背中を見せている人物がいないのです。視聴者に全員の表情や仕草を見せるという意味では都合がよいのですが、現実の家族の食卓でそういう不自然なことはあり得ません。そのいい加減さが、テレビのホームドラマのリアリティのなさ、嘘臭さを生んでいるのです。
 映画なら、ストーリー展開には何の関係もなく、観客がほとんど意識さえしないような画面の端のほうまでリアルさに拘り、然るべき遠景なり通行人なりを用意するのと、対照的です。もちろん、映画とテレビドラマでは制作予算に大きな違いがあり、また観客・視聴者の理解度の差というものもありますから、一概にテレビドラマを否定はできませんが、総じて作り方がおざなり、細部にまで気を配っているとは言えないのは確かでしょう。
   
論旨が盤石でも具体性がなければ説得力は弱い
 そして、文章の場合、細部とは具体的な記述です。いくら論理の展開が盤石なものであっても、あるいは、いくら素晴らしい理想や独創的な理論を述べていても、具体的な記述が伴わなければ、それは筆者が頭で考えただけの、どこかウサン臭い話だという印象になってしまいます。説得力がないのです。
 自己PR文や志望動機、昇格論文といった、個人の経験などに強く関係する文章の場合、とくにそれが言えます。何かの参考書、教科書に書いてあったような理想論、誰でも思いつくような抽象的で当たり前の話を述べても仕方ないのです。理想論や当たり前の話そのものがいけないのではなく、それには具体的な話が伴わないといけない、ということです。具体的な話がなくては、読み手の心に訴えるものがないのです。
 よく「熱意を表現する」ということに固執する方がありますが、それは、「とても」とか「ぜひ」とかいった強調の副詞を並べ立てたり、抽象的な形容詞を多用したり、といった表現の工夫で達成できることではありません。自分の熱意を表現するには、具体的な事実や行動を根拠にして訴えるしかないのです(もちろん、その事実や行動がすべて文字通りの事実・真実である必要はないのですが)。
 だからこそ、Writing Solution/WSサービスでは、お客様に対してしつこいほど「具体的なお話を教えてください」と、繰り返しお尋ねし、文章に説得力を持たせる材料を揃えようと努力しています。

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