昇格試験論文 質問者/ぜろご

質問者の性別 : 男
質問者の年齢 : 40歳
文章の用途 : 課長昇格試験
文章の提出先 : 会社(プラント設計会社)

チェックして欲しい文章は以下です。長いですがよろしくお願いします。
チェックして頂きたい事柄は、論旨が通っているかです。

(課題)
個人と企業のありたい関係でエンプロイアビリティの高い個人とエンプロイメンタビリティの高い企業を上げています。
(1)当社がエンプロイアビリティの高い個人を求める理由を述べなさい。
(2)現在、総括職3級のあなたがエンプロイアビリティを高めるのにしなくてはならないことを述べなさい。
1.定義
当社にとってエンプロイアビリティの高い個人とは、当社の行動基準(求める人材像)を満たしている個人である。
2.エンプロイアビリティの高い個人が求められる理由
小職の所属するプラント事業本部では、2008年度に起こった世界経済の混乱の影響を受け、受注が低迷している。しかしながら、産油国を中心に投資計画は着実に進み始めており、プラント建設の引き合いの動きが出てきている。受注に結び付けるためには、国際間の厳しい受注競争を勝ち抜かなければならない。しかしながら、今までの知識や経験を基にしたやり方だけでは、この厳しい受注競争に勝ち抜くことはできない。今までの知識や経験をベースにしつつも、他社に先んじた新しい価値を生み出せるか否かが競争を勝ち抜くための重要な要素となっている。従って、当社では、現状を変える新たな取り組みができる人材、つまり、行動基準の1つである改革・改善マインドを持って業務を遂行できる人材が求められている。改善マインドを持って業務を遂行することが、設計品質の向上、スケジュールキープ、コストダウンにつながり、プロジェクトの採算を向上させ、良いものづくりをすることで行動基準の1つである顧客満足をも向上させることになるからである。ここには記述していないが、高い志、リーダーシップ等、他の行動基準も重要なことは言うまでもない。
3.エンプロイアビリティが高い個人としてあるべき姿
小職はプロセス設計部に所属している。プロセス設計はプラント設計の中でも最上流に位置し、プロセス設計の出来がプラント設計の出来不出来を左右すると言っても過言ではない。従って、小職自身が考えるエンプロイアビリティの高い個人とは、改善マインドを持って設計を遂行し、設計品質を今まで以上に向上させ、スケジュールキープ及びコストダウンにつなげられる人物である。
4.現在抱えている課題及び原因
現在、プラント設計において抱えている最大の課題は、設計力の体質強化である。設計ミスにより、設計の後戻り作業が発生し、建設現場での手直し工事が発生する。これらがプロジェクトのスケジュール遅れ、採算悪化の要因となっている。
設計ミスが起こる主な原因を以下に述べる。
(1)所掌の曖昧な設計インターフェース問題に積極的に関与していない。所掌の曖昧な仕事に関与するとその仕事を自分自身が行う(押し付けられるのではないかとの認識があり、業務量も多いこともあり、それらに積極的に関与することを避ける傾向にあり、そのような風土になりかかっている。
(2)対客先、対他部署、グループ内のコミュニケーションが満足に取れていない。Eメールの濫用、face to faceコミュニケーション不足も一因である。
(3)エンジニアリングマネージャーがエンジニアリングマネージャーとして育成されていないため、設計全般のリーダーシップを取れていない。
5.小職自身がエンプロイアビリティを高めるためになすべきこと
現在、小職自身はプロセスリードエンジニアとして、部署を代表してプロジェクトに参加している立場にある。上述した設計ミスをなくし、設計品質を向上させることが小職自身のエンプロイアビリティを高めることにつながる。
そのために、小職自身がなすべきことは、常に考えて仕事をすること、ただ仕事をこなすのではなく、どうすれば今の自分の仕事を改善できるかを考え、工夫するマインドを持って業務に向き合い、設計品質を向上させ、スケジュールキープ・コストダウンにつなげ、プロジェクトの採算を向上させることである。そのための具体的な取り組みについて以下に述べる。
(1)設計のインターフェイス問題について
小職自身が今まで以上にインターフェイスに積極的に関わっていくことが必要である。具体的には、プロセス設計で作成しているP&ID (Piping & Instrument Diagram)を通して積極的に関わっていく所存である。なぜなら、P&IDはプラント設計の根幹であり、その精度がプラント全体の設計精度を左右するといっても過言ではないからである。P&IDを作成するためには設計全部署の様々なデータを盛り込まなければならない。今までは、忙しさを理由に、他部署から情報が上がってくるのを待っている姿勢であったが、今後は積極的に取りに行く姿勢に改善する。今まで見落としがちであったプロセスと直接接点がない情報(例えば、配管と計装のインターフェイス等)については特に注意を払い、問題・不明確な項目を先送りしないようモニターする。また、プロジェクト全体の工程を考慮し、いつまでにどの種の情報が必要かを常に意識し、設計の精度を上げる努力を続けていく。設計最上流部門のエンジニアとして、下流部署の設計を引っ張っていく気概で業務に臨む。
(2)コミュニケーションについて
プラントのプロジェクトは、関係者が多く複雑、またプロジェクトごとに仕事の条件も内容も関係者も大きく変わる。従って、コミュニケーション不足は致命的となる。今後は、以下の取り組みを積極的に行うことで、コミュニケーション不足による設計ミスを軽減させる。
(A)確認・検討事項に関するEメール送付後は、必ず送付先に足を運び直接説明することとする。直接説明することで、受け取る側が見落としたり、誤解したりするリスクを軽減させる。
(B)客先とは、レターやメールのみのコミュニケーションではなく、内容の重要度をしっかり見極めて、必要に応じて、積極的に客先に出向いて顔を合わせたミーティングを持つ。客先が常駐している場合は、短くても良いので1日に1度は、進捗状況、問題点の打ち合わせを持つ。
(C)プロジェクトミーティングは、報告の場とせず、情報共有化・問題解決の場とする。問題が発生した場合、その問題の事象に問いかけ、ベストな解決方法をプロジェクトメンバー全員で考える。当事者本人を責めることはしない。
(D)プロジェクトにアサインしているプロセスメンバーに対して、1日に1度は進捗状況、問題点の有無の確認を行い、問題の予兆をいち早くつかみ、適切な指示を行うこととする。また、週に1度は、メンバー全員を集め、プロジェクトの状況、プロセス設計の状況を分かち合い、メンバー全員のベクトルを合わせ、チームとして働く意識を持たせる。
(3)エンジニアリングマネージャーについて
小職自身、30歳代前半からプロセスリードエンジニアとして、4つのプロジェクトを経験してきた。そこで、今後は、エンジニアリングマネージーとして廻りから認められる素養を身につけたいと考えている。そのための取り組みについて以下に述べる。
(A)プロジェクト全体の工程(設計→調達→建設)の理解を深める。複雑に絡み合った設計、調達、建設の関係の理解を深めることで、問題の早期発見を行い、問題が発生した場合の影響を最小限にする。
(B)上流・下流の業務に興味を持ち、理解することとする。また、相手に一歩踏み込む積極的な姿勢を取る。
(C)人の嫌がる仕事、見落としている仕事を早期に発見し、それらに積極的に取り組むことにより、エンジニアリングマネージャーとして、周りから信頼される人間となる。