◎投稿者（文章執筆者）の性別／女
◎投稿者（文章執筆者）の年齢・学年など／高校3年生
◎文章の用途（「入試用の志望動機」など）／看護系大学入試小論文練習
◎文章の提出先（学校種別や企業業界など）／
◎チェック希望の文章（添削希望の文章）／
『今日、医者不足が叫ばれている。そこで最近、不足する医師の数を補うため、外国人医師を積極的に受け入れてはどうかという案んが示されている。この案についてあなたはどう考えますか。６００字以内でまとめなさい。』
現在日本では医師不足が叫ばれており、不足する医師の数を補うため、外国人医師を積極的に受け入れてはどうかという案がなされている。では、この案は有効な対策なのだろうか。
確かに、外国人医師を国内で受け入れるためには、言葉の壁や文化の違いなどといった様々な問題があるだろう。患者の中には外国人医師に抵抗を感じる人もいるかもしれない。しかし、日本国内での医師不足が深刻化する前に外国人医師を積極的に受け入れていくべきである。
国際化が進んでいる現在の日本には様々な国からたくさんの外国人が訪れる。しかし、日本国内の医師のほとんどが日本人であるため、外国人患者への対応が遅れてしまうなどの問題が生じている。そこで、たくさんの外国人医師を国内で受け入れることにより外国人患者への対応を早めることができる。また、自国の医師に対応してもらうことで、外国人患者に安心感を与えることもできる。つまり、外国人医師を国内で積極的に受け入れることにより、医師不足の解消だけでなく、国際化への対応も期待することができる。
以上より、医師不足を解消する手段として外国人医師を積極的に受け入れるという案は有効な対策であると私は考える。
◎チェック希望の事柄・ほしいアドバイス／
・文章的におかしな点がないか
・説得力があるかどうか
・直したほうがいいところ
◎質問したい事柄／
文章作成に関する無料ワンポイント添削とアドバイス 【ＷＳサービス】提供
管理人回答：筋違いの議論で、現実認識も間違っている気がします。
＞文章的におかしな点がないか
＞説得力があるかどうか
⇒いっしょに答えます。
文章的に、というより、全体の構成・論旨が変です。
まず、問題文は患者について外国人とか日本人とかの区別なく、単に日本国内の医師は足りていないという前提を置いています。そういう医師不足を補う手段として外国人医師を増やすという対応策をどう思うか？という問いですから、そこに勝手に外国人患者が増えるからウンヌンという話を持ち出すのは、設問趣旨のすり替えでしょう。確かに外国人患者が増えれば、外国語を理解する医師が必要でしょうが、だからと言って外国人医師を増やすという話は、問題文が言う国内の医師不足全般問題と混同して論じることではありません。
わざとそうした論旨を取っているのなら考えが浅いと言わざるを得ないし、考察が足りていないということになります。
また余計なことですが、たとえ問題文が「今日、医者不足が叫ばれている」と述べているとしても、日本国内の医師は絶対数が足りないという意見は少数でしょう。厚生労働省は、医師数をある程度抑制するために、大学の医学部新設や医学部定員増を抑制しています。圧倒的に多くの指摘があるのは、小児科や婦人科のような特定診療科の医師が足りないこと、そして地方の医師・医療機関不足という地域的な偏在があることです。
さらに、この種の文章は600字以内と指定されれば、600字以内でギリギリ最大文字数を書くのが鉄則ですが、この文章は500字弱しかありません。しかも、最初のワンセンテンスもしくは２センテンスは不要と言ってよい文です。不要と言ってよいどころか、「現在日本では医師不足が叫ばれており、不足する医師の数を補うため、外国人医師を積極的に受け入れてはどうかという案がなされている。」は、単に問題文を繰り返しているだけです。最初の２センテンスで80字あまりもあります。つまり本論は400字あまりしかないのです。しっかり考えているのか、疑われます。
よって、ほとんど説得力はありません。
＞直したほうがいいところ
⇒上記で指摘した点です。
管理人回答：補足と訂正。
まず訂正です。「婦人科」は「産科」の誤りでした。
補足。この「無料ワンポイント添削とアドバイス」は、あくまで文章表現などについてのみ回答するのが趣旨で、内容については論評しないのが基本です。しかし、一般常識に照らして明確におかしいと思える内容については、指摘します。
そして、医療における診療科の偏在、地域的偏在という問題は、ふつうに新聞などを読んでいれば、誰でも知っているはずのことです。まして、医療に関わろうとする者は知っているべきことでしょう。ですので、指摘しました。
また、
＞日本国内の医師のほとんどが日本人であるため、外国人患者への対応が遅れてしまうなどの問題が生じている。
の部分ですが、そう言える根拠はあるんでしょうか？あるなら明示すべきです。上記の論旨では、日本人医師イコール外国語が理解できない医師、ということになります。もちろん、外国語、とくに会話が得意でない日本人医師というのは多いのかも知れませんが。
文章表現そのものに関しては、とくにおかしな点はありません。