文章を書けないのは、書けと言われていないことを書こうとするから。

高校生の進学や大学生の就職の際の志望理由書、志望動機書の話が典型です。

おそらく、学校の進路指導の先生や、キャリアセンターの指導員などからの指導だと思いますが、志望理由・志望動機を書く際に、「自分の長所などもさりげなくアピールしておきましょう」「熱意を示しましょう」などと言われるのでしょう。そういう指導がなくても、自分の判断でそうしようとする人も結構います。そして、文章全体の流れがうまく行かない、思うように書けないと悩むのです。

私達、代筆サービスのスタッフに言わせれば、それは当たり前のことです。書けと要求されていないことを書くのですから、唐突感は免れませんし、全体の論旨から浮いてしまうのも当然です。もちろん、自己アピールしたいことと志望理由が密接に結びついている、などという場合は別ですが。

書けと指示されてもいないのに、自分勝手に自己アピールを書いて、能力・実績のアピールとして評価されるとか、積極性の表れと解釈してもらえるとか思っているのでしょうか?

そういうことをする人や、そういう指導をする人に尋ねたいのですが、そもそも学校のテストなどで、設問で要求されていないことを書いて加点されるのでしょうか?関係ないことを書いているのですから、減点の対象になることはあっても、まず加点などされないでしょう。それなのに、自分の勝手な思い込みで、要求されてもいないことを書くという姿勢自体、間違っていると言わざるを得ません。

会社の昇格課題論文などでも、論文設問で要求されていないのに、自分の仕事上の実績を書こうとする人もいて、そういう事例があまりに多いというのが代筆サービスの現場の実情で、正直、困っています。